子宮頚がん検診は何歳まで続けるべきか
Age at last screening and remaining lifetime risk of cervical cancer in older, unvaccinated, HPV-negative women: a modelling study
背景
子宮頸がん検診は子宮頸がんリスクを低減させることが確認されており広く実施されているが、終了年齢についてのエビデンスは乏しく、各国のガイドラインで対応が分かれる。カナダMcGill UniversityのMalagonらは、カナダの州レジストリのデータを用い、子宮頸がんの自然史と検診のMarkovモデルを開発、異なる年齢・検査結果ごとの子宮頸がんの残存生涯リスクを推定した。
結論
HPVワクチン接種・検診を受けない女性の45人に一人が子宮頸がんを発症すると予測され、細胞診(25歳から69歳まで3年ごと)はこれを532人に一人まで低下させた。検診を終了した70歳女性のうち588人に一人が残りの生涯に子宮頸がんとなるリスクがあったが、細胞診陰性であった場合1,206人に一人、HPV検査陰性であった場合は6,525人に一人、細胞診・HPVとも陰性であった場合は9,550人に一人であった。
評価
細胞診による検診では、75歳まで新たな検診による予防効果がみられた一方、HPV検査は55歳で陰性であった場合、検診を受け続けるベネフィットは乏しいと考えられた。日本では現在までのところ子宮頸がん検診の終了年齢について定めたガイドラインはない。


