DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬に胆管がんリスク?
Incretin based drugs and risk of cholangiocarcinoma among patients with type 2 diabetes: population based cohort study
背景
DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬はともに2型糖尿病の管理に広く用いられるが、胆管がんリスクを上昇させる可能性が示唆されている。カナダJewish General HospitalのAbrahamiらは、UK Clinical Practice Research Datalinkの新たに糖尿病治療薬を受けた2型糖尿病成人を対象として、同薬使用と胆管がんリスクとの関連を調査した(n=154,162)。
結論
614,274人年のフォローアップ期間中に105件の胆管がん発症があった。DPP-4阻害薬の使用は胆管がんリスクの有意な上昇と関連した(ハザード比1.77)。GLP-1受容体作動薬でも上昇傾向であったものの有意ではなかった(1.97)。ファーマコビジランス解析では、DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬はともに胆管がん報告のオッズ比増と関連した(1.63・4.73)。
評価
インクレチン関連薬の大規模試験のうちLEADER試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1603827)では肝胆道がんの増加が見られたが、他の試験ではそうした関連はみられていない。ここでの絶対リスクは小さいものの、さらなる検証が不可欠である。


