DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬に胆管がんリスク?
Incretin based drugs and risk of cholangiocarcinoma among patients with type 2 diabetes: population based cohort study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
BMJ
年月
December 2018
363
開始ページ
k4880

背景

DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬はともに2型糖尿病の管理に広く用いられるが、胆管がんリスクを上昇させる可能性が示唆されている。カナダJewish General HospitalのAbrahamiらは、UK Clinical Practice Research Datalinkの新たに糖尿病治療薬を受けた2型糖尿病成人を対象として、同薬使用と胆管がんリスクとの関連を調査した(n=154,162)。

結論

614,274人年のフォローアップ期間中に105件の胆管がん発症があった。DPP-4阻害薬の使用は胆管がんリスクの有意な上昇と関連した(ハザード比1.77)。GLP-1受容体作動薬でも上昇傾向であったものの有意ではなかった(1.97)。ファーマコビジランス解析では、DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬はともに胆管がん報告のオッズ比増と関連した(1.63・4.73)。

評価

インクレチン関連薬の大規模試験のうちLEADER試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1603827)では肝胆道がんの増加が見られたが、他の試験ではそうした関連はみられていない。ここでの絶対リスクは小さいものの、さらなる検証が不可欠である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)