進行・難治性デスモイド腫瘍でソラフェニブが新たな標準に
Sorafenib for Advanced and Refractory Desmoid Tumors
背景
デスモイド腫瘍(侵襲性線維腫症)は、転移しないが周囲組織に浸潤する良悪性中間的な線維性腫瘍であり、確立された治療法はない。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGounderらは、進行性・症候性の再発デスモイド腫瘍患者を、ソラフェニブまたはプラセボの投与に2:1で割り付ける第III相ランダム化比較試験を行った(n=87)。
結論
フォローアップ期間中央値27.2ヶ月で、2年無増悪生存率はソラフェニブ群81%・プラセボ群36%であった(ハザード比0.13)。クロスオーバー前までの客観的奏効率は、33%・20%であった。客観的奏効までの期間はソラフェニブ群で9.6ヶ月、プラセボ群では13.3ヶ月であり、奏効は現在も持続中である。
評価
ソラフェニブによる奏効が現れ始めるまでに時間を要したが、大きなPFS改善を示した。比較的まれなこの疾患における初めての標準治療となる。