膵がんでの術後FOLFIRINOX療法、生存期間は延長するも有害事象も増
FOLFIRINOX or Gemcitabine as Adjuvant Therapy for Pancreatic Cancer
背景
転移を有する膵がん患者では、FOLFIRINOX療法(フルオロウラシル・ロイコボリン・イリノテカン・オキサリプラチン)がゲムシタビンを上回る生存成績を示した。フランスInstitut de Cancerologie de LorraineのConroyらは、切除を受けた膵管腺がん患者において、フルオロウラシルのボーラス投与を除いた修正FOLFIRINOX療法とゲムシタビンを比較するランダム化比較試験PRODIGE 24-ACCORDを実施した(n=493)。
結論
フォローアップ期間中央値33.6ヶ月で、無病生存期間は修正FOLFIRINOX療法群21.6ヶ月・ゲムシタビン群12.8ヶ月であった(層別ハザード比0.58)。3年無病生存率はそれぞれ39.7%・21.4%であった。全生存期間はFOLFIRINOX群54.4ヶ月・ゲムシタビン群35.0ヶ月(0.64)、3年生存率63.4%・48.6%であった。グレード3または4の有害事象は75.9%・52.9%で生じ、ゲムシタビン群の1名が毒性により死亡した。
評価
切除可能膵がんにおいてもFOLFIRINOX療法がゲムシタビンを大きく上回ることを示し、海外では(特に全身状態良好な患者について)新たな標準オプションとなるだろう。S-1が標準となっている日本ではS-1・ゲムシタビン併用を検証するJSAP-04試験(UMIN000004410)が進行している。


