多重既治療の進行胃がんにトリフルリジン・チピラシル:第III相TAGS試験
Trifluridine/tipiracil versus placebo in patients with heavily pretreated metastatic gastric cancer (TAGS): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial
背景
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠(TAS-102)は、日本で行われた第II相試験において治療歴のある進行胃がん患者で有望な活性を示している。日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のShitaraらは、2ライン以上の治療歴のある転移を有する胃がん患者を対象として、ベストサポーティブケアに追加してTAS-102とプラセボを2:1で割り付ける国際第III相ランダム化比較試験TAGSを実施した(n=507)。
結論
全生存期間の中央値はTAS-102群5.7ヶ月・プラセボ群3.6ヶ月であった(ハザード比0.69)。グレード3以上の有害事象はTAS-102群の80%、プラセボ群の58%で見られた。重篤な有害事象はそれぞれ43%・42%で、1名ずつが治療関連死した。
評価
この結果をもとに国内申請が行われており、進行胃がんの三次治療に三つ目のオプションがもたらされることになる。