多発性骨髄腫での移植後イキサゾミブ維持療法:TOURMALINE-MM3試験
Oral ixazomib maintenance following autologous stem cell transplantation (TOURMALINE-MM3): a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 3 trial
背景
初の経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブは、再発・難治性多発性骨髄腫(MM)への上乗せで有効性を示している。ギリシアNational and Kapodistrian University of AthensのDimopoulosらは、高用量メルファラン前処置後に自家幹細胞移植を受けた新規診断MM患者での維持療法として、イキサゾミブまたはプラセボを3:2で割り付ける第III相二重盲検ランダム化比較試験TOURMALINE-MM3を実施した(n=656)。
結論
フォローアップ期間中央値31ヶ月で、無増悪生存期間はイキサゾミブ群26.5ヶ月・プラセボ群21.3ヶ月であり、イキサゾミブにより進行リスクが低下した(ハザード比0.72)。解析時点で二次性悪性腫瘍の増加は見られなかった。重篤有害事象はイキサゾミブ群の27%、プラセボ群の20%で生じ、イキサゾミブ群の1名が治療期間中に死亡した。
評価
ASCT後維持療法に初のプロテアソーム阻害剤オプションが加わった。移植歴のない初発MMにおけるイキサゾミブ維持療法も検証されている(NCT02312258)。