高齢未治療CLLでのイブルチニブ、免疫化学療法を上回る:A041202試験
Ibrutinib Regimens versus Chemoimmunotherapy in Older Patients with Untreated CLL
背景
BTK阻害剤イブルチニブは慢性リンパ性白血病(CLL)やマントル細胞リンパ腫などで有効性を示してきた。Ohio State UniversityのWoyachらは、65歳以上の未治療CLLに、ベンダムスチン+リツキシマブ、イブルチニブ単独、イブルチニブ+リツキシマブを1:1:1で割り付ける第III相ランダム化比較試験を実施した(n=644)。
結論
無増悪生存期間の中央値に到達したのはベンダムスチン+リツキシマブ群のみであった。2年無増悪生存率はベンダムスチン+リツキシマブ群で74%、イブルチニブ単独群87%(ハザード比0.39)、イブルチニブ+リツキシマブ群88%(0.38)であった。フォローアップ期間中央値38ヶ月で全生存期間に群間差はなかった。ベンダムスチン+リツキシマブ群では、グレード3から5の血液学的有害事象が多かったが、非血液学的有害事象は最も少なかった。
評価
化学療法への優位性は示されていたが、リツキシマブを追加した化学免疫療法にも優ることを示し、同時にイブルチニブへのリツキシマブがPFSを延長しないことも明らかにされた。高齢CLLの初回治療ではイブルチニブ単独が標準とみなされる。