オシメルチニブへの獲得耐性メカニズムを解明する
Assessment of Resistance Mechanisms and Clinical Implications in Patients With EGFR T790M-Positive Lung Cancer and Acquired Resistance to Osimertinib
背景
第三世代EGFR-TKIであるオシメルチニブは、EGFR T790M変異によりEGFR-TKIへの耐性を獲得した非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して用いられる。Dana-Farber Cancer InstituteのOxnardらは、オシメルチニブ獲得耐性のメカニズムを解明するため、先行EGFR-TKIへのT790M陽性耐性獲得後にオシメルチニブ治療を受けた進行NSCLCにおいて、オシメルチニブ耐性後の腫瘍生検サンプルを次世代シーケンシング解析した。
結論
耐性獲得後に次世代シーケンシングを行った41名のうち、13名(32%)がT790M変異を維持しており、22%ではEGFR C797Sがみられた。68%はT790M変異を喪失しており、KRAS変異や遺伝子融合などの競合する耐性メカニズムが生じた。オシメルチニブ治療中止までの時間はT790M喪失患者で短く、既存の耐性クローンが発現することを示唆した。T790M喪失耐性は、治療開始後1-3週時点でのEGFRドライバー変異レベルのより小幅な低下と関連した。
評価
オシメルチニブへの耐性獲得の2/3はT790M喪失によるもので、潜在する競合耐性メカニズムが新たに現れた。いくつかは標的化可能な変異・融合であり、オシメルチニブ耐性後の治療戦略開発へ道を開く知見である。


