オシメルチニブへの獲得耐性メカニズムを解明する
Assessment of Resistance Mechanisms and Clinical Implications in Patients With EGFR T790M-Positive Lung Cancer and Acquired Resistance to Osimertinib

カテゴリー
がん
ジャーナル名
JAMA Oncology
年月
November 2018
4
開始ページ
1527

背景

第三世代EGFR-TKIであるオシメルチニブは、EGFR T790M変異によりEGFR-TKIへの耐性を獲得した非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して用いられる。Dana-Farber Cancer InstituteのOxnardらは、オシメルチニブ獲得耐性のメカニズムを解明するため、先行EGFR-TKIへのT790M陽性耐性獲得後にオシメルチニブ治療を受けた進行NSCLCにおいて、オシメルチニブ耐性後の腫瘍生検サンプルを次世代シーケンシング解析した。

結論

耐性獲得後に次世代シーケンシングを行った41名のうち、13名(32%)がT790M変異を維持しており、22%ではEGFR C797Sがみられた。68%はT790M変異を喪失しており、KRAS変異や遺伝子融合などの競合する耐性メカニズムが生じた。オシメルチニブ治療中止までの時間はT790M喪失患者で短く、既存の耐性クローンが発現することを示唆した。T790M喪失耐性は、治療開始後1-3週時点でのEGFRドライバー変異レベルのより小幅な低下と関連した。

評価

オシメルチニブへの耐性獲得の2/3はT790M喪失によるもので、潜在する競合耐性メカニズムが新たに現れた。いくつかは標的化可能な変異・融合であり、オシメルチニブ耐性後の治療戦略開発へ道を開く知見である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)