月一回の高用量ビタミンDでがんリスク低下せず:ViDA試験の事後解析
Monthly High-Dose Vitamin D Supplementation and Cancer Risk: A Post Hoc Analysis of the Vitamin D Assessment Randomized Clinical Trial
背景
ビタミンDの摂取はがんリスク低下と関連するとの報告があるが、ランダム化比較試験の結果は否定的なものが多い。ニュージーランドUniversity of AucklandのScraggらは、50〜84歳の住民(n=5,110)に月一回100,000 IU(初月は2倍)またはプラセボのカプセルを郵送し、4年間の心血管疾患・急性呼吸器感染症・転倒などへの効果を検証したViDA試験の事後解析を実施、非メラノーマ皮膚がんを除いた悪性腫瘍リスクとの関連を検証した。
結論
季節調整された25-ヒドロキシビタミンD濃度は、ベースラインで平均26.5 ng/mLであり、介入群のランダムサンプルでは、プラセボ群よりも常に20 ng/mL以上高かった。がん発症率は、介入群6.5%・プラセボ群6.4%であった(ハザード比1.01)。
評価
ビタミンDによるがん予防についてはLappeらのRCTが有効性を示したものの(http://doi.org/10.1093/ajcn/85.6.1586)、同グループによるRCTが再現に失敗したという経緯がある(http://doi.org/10.1001/jama.2017.2115)。本ViDA試験、さらに最近発表されたVITAL試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1809944)も結果はネガティブであり、がん予防を目的としたビタミンD補充は推奨されない。