自家脂肪注入による乳房再建は再発リスクを増さない
Long-term Follow-up of Autologous Fat Transfer vs Conventional Breast Reconstruction and Association With Cancer Relapse in Patients With Breast Cancer
背景
自家脂肪注入は乳がん患者での切除後再建術として行われる場合があるが、再発のリスクについては相反する報告が存在する。オランダMaastricht UniversityのKrastevらは、後向カルテレビューにより自家脂肪注入を受けた患者を同定し(n=287)、同様の背景を有する従来乳房再建術患者(n=300)とマッチングした。
結論
自家脂肪注入後のフォローアップ期間は平均5年であった。局所/領域再発は自家脂肪注入群で8件、対照群で11件であった(未調整ハザード比0.63)。術式、腫瘍の浸潤性、病理学的病期によるサブグループでも、局所/領域再発率の増加はみられなかった。また、遠隔再発および乳がん死亡についても自家脂肪注入によるリスク増加は示されなかった。
評価
日本では現時点で保険収載されていないが、第三の再建オプションとしてその安全性が確認された意味は大きい。