無増悪生存期間(PFS)は健康関連QOLと関連しない
Evaluating Progression-Free Survival as a Surrogate Outcome for Health-Related Quality of Life in Oncology: A Systematic Review and Quantitative Analysis
背景
無増悪生存期間(PFS)は多くの臨床試験において全生存期間(OS)の代替エンドポイントとして採用されているが、PFSとOSとの相関は疑問視されている。カナダMcMaster UniversityのKovicらは、システマティックレビューと定量分析により、公表されている腫瘍学領域ランダム化比較試験におけるPFSと健康関連の生活の質(HRQOL)との関連を評価した。
結論
52報から38件のRCTが含まれた。患者総数は13,979名で、6種のHRQOL指標が用いられた。介入群と対照群のPFS差の中央値は1.91ヶ月であり、月あたりのHRQOL変化の差は、全体項目で-0.39、身体項目0.26、感情項目1.08であった。PFS差とHRQOL差の相関勾配は、全体項目について0.12、身体項目について-0.20、感情項目について0.78であり、いずれも有意差はなかった。
評価
PFSの延長がOSの延長に結びつかなくとも患者のQOLが改善されるのならば意義がある、とする議論もあるが、この研究はPFSのQOL代替性も疑わしいことを明らかにした。