初期子宮頸がんでの低侵襲根治術、開腹よりも生存率低下:LACC試験
Minimally Invasive versus Abdominal Radical Hysterectomy for Cervical Cancer
背景
早期子宮頸がんに対する根治的子宮摘出術では、腹腔鏡またはロボット支援による低侵襲手術が世界的に採用されつつあるが、開腹手術と比較した前向のエビデンスは不足している。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのRamirezらは、IA1/IA2/IB1期の子宮頸がん女性を最小侵襲手術または開腹手術へと割り付ける、第III相・多施設・ランダム化比較非劣性試験LACCを実施した(n=319)。
結論
最小侵襲手術群の患者の84.4%が腹腔鏡手術を、15.6%がロボット支援手術を受けた。4.5年時点での無病生存率は、最小侵襲手術群86.0%・開腹手術群96.5%と開腹手術群で優った。最小侵襲手術は3年無病生存率の低下(91.2% vs. 97.1%、HR:3.74)、3年全生存率の低下(93.8% vs. 99.0%、HR:6.00)と関連した。
評価
複数のガイドラインが、広汎子宮全摘出術における開腹手術と並ぶオプションとして挙げている腹腔鏡下・ロボット支援下手術であったが、この試験ではアウトカムは悪化した。同時にNEJM誌に発表された疫学的調査でも生存率低下を示しており(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1804923)、初期子宮頸がんでの子宮全摘出術では開腹が標準とみなされるべきであろう。