CD47を阻害するマクロファージ免疫チェックポイント阻害剤が有望結果
CD47 Blockade by Hu5F9-G4 and Rituximab in Non-Hodgkin’s Lymphoma
背景
CD47はマクロファージの貪食を抑制するたんぱく質で、各種の血液がん・固形がんで過剰発現することが知られている。Stanford UniversityのAdvaniらは、再発・難治非ホジキンリンパ腫患者(n=22)に対して、マクロファージ免疫チェックポイント阻害剤Hu5F9-G4とリツキシマブを投与し、安全性・有効性を評価する第1b相試験を実施した。
結論
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が15名、濾胞性リンパ腫が7名であった。治療歴は中央値4ライン、95%はリツキシマブ抵抗性であった。容量制限毒性は稀であり、第II相の用量は30 mg/kgとされた。客観的奏効率は50%、完全奏効率は36%であった。DLBCL患者で6.2ヶ月、濾胞性リンパ腫では8.1ヶ月のフォローアップ後、91%で奏効が持続していた。
評価
貪食作用を制御するCD47-SIRPα系に作用する新機軸の免疫チェックポイント阻害剤で、リツキシマブの抗CD20作用と相乗し、重既治療患者で有望な抗腫瘍活性を示した。