小児がん経験者での運動は死亡リスクを減らす
Association of Exercise With Mortality in Adult Survivors of Childhood Cancer
背景
小児がんの治療成績は向上しているが、小児がんを生き延びることのできた患者でも死亡リスクは一般集団より高い。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのScottらは、北米Childhood Cancer Survivor Studyコホートの成人がんサバイバー(n=15,450)において、自己報告された一週間あたりの運動強度(Metabolic Equivalent Task:代謝相当仕事量)と全原因死亡率・原因別死亡率の関連を評価した。
結論
中央値9.6年のフォローアップ期間中に1,063名が死亡した(811名は健康関連死、120名が原発腫瘍の再発/進行)。一週あたり0 MET-hのサバイバーの15年累積死亡率は11.7%、3-6 MET-hのサバイバーでは8.6%、9-12 MET-hで7.4%、15-21 MET-hで8.0%であった。各因子調整後、運動と全原因死亡には有意な関連が認められた。運動強度を増加させたサバイバーでは、40%死亡率が低下した。
評価
小児がんサバイバーは高い健康負荷を抱え、各種原因による死亡リスクも高い。この研究は、一般集団あるいは成人がんサバイバーと同様に、運動が死亡リスクと関連することを示した。


