禁煙5年で肺がんリスクは4割低下するが、禁煙25年でもなお高リスク
Lifetime Smoking History and Risk of Lung Cancer: Results From the Framingham Heart Study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of the National Cancer Institute
年月
May 2018
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背景

喫煙は肺がんのリスクを増加させるが、禁煙はこうしたリスクをどこまで軽減できるのか。Vanderbilt UniversityのTindleらは、Framingham Heart Study(n=3,905)およびOffspringコホート(n=5,002)から生涯喫煙歴と肺がん発症に関するデータを調査し、禁煙期間と肺がんリスクとの関連を解析した。

結論

28.7年のフォローアップ期間で284件の肺がんが発見された。1000人年あたり発症率は現在喫煙者1.97、前喫煙者1.61、喫煙未経験者0.26であった。喫煙未経験者と比した前大量喫煙者の肺がんリスクは、禁煙5年未満でハザード比12.12、5-9年で11.77、10-14年7.81、15-24年5.88であり、禁煙5年時点で現在喫煙者よりも39.1%リスクが減少した。一方で前喫煙者の肺がん発症の40.8%は禁煙歴15年以降に発生した。

評価

大量喫煙者の肺がんリスクは、(禁煙により低下するとはいえ)禁煙25年後にもなお一般の4倍であった。前喫煙者での検診は長期にわたり重要となる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)