禁煙5年で肺がんリスクは4割低下するが、禁煙25年でもなお高リスク
Lifetime Smoking History and Risk of Lung Cancer: Results From the Framingham Heart Study
背景
喫煙は肺がんのリスクを増加させるが、禁煙はこうしたリスクをどこまで軽減できるのか。Vanderbilt UniversityのTindleらは、Framingham Heart Study(n=3,905)およびOffspringコホート(n=5,002)から生涯喫煙歴と肺がん発症に関するデータを調査し、禁煙期間と肺がんリスクとの関連を解析した。
結論
28.7年のフォローアップ期間で284件の肺がんが発見された。1000人年あたり発症率は現在喫煙者1.97、前喫煙者1.61、喫煙未経験者0.26であった。喫煙未経験者と比した前大量喫煙者の肺がんリスクは、禁煙5年未満でハザード比12.12、5-9年で11.77、10-14年7.81、15-24年5.88であり、禁煙5年時点で現在喫煙者よりも39.1%リスクが減少した。一方で前喫煙者の肺がん発症の40.8%は禁煙歴15年以降に発生した。
評価
大量喫煙者の肺がんリスクは、(禁煙により低下するとはいえ)禁煙25年後にもなお一般の4倍であった。前喫煙者での検診は長期にわたり重要となる。