PD-L1増幅は免疫チェックポイント阻害の奏効マーカーか
Prevalence of PDL1 Amplification and Preliminary Response to Immune Checkpoint Blockade in Solid Tumors
背景
免疫チェックポイント阻害剤の奏効は一部患者に限られており、いくつかの有効性バイオマーカーが提案されている。University of CaliforniaのGoodmanらは、マイクロサテライト不安定性(MSI)・腫瘍変異負荷(TMB)・PDL1増幅について包括的ゲノムプロファイリングを行った民間の腫瘍データベース(n=118,187)とリンクしたカルテ解析を行い、PD-1/PD-L1阻害剤の奏効性マーカーとしてのPDL1増幅の有用性を検証した。
結論
PDL1増幅は100タイプ以上の固形がん、843名の患者(0.7%)で見られた。PDL1増幅の多く(84.8%)はTMBが低または中等度であり、またPDL1増幅はPD-L1高発現と相関しなかった。PDL1増幅した固形腫瘍患者9名のうち神経膠腫を含む6名で客観的奏効が見られ、無増悪生存期間は中央値15.2ヶ月であった。
評価
再発・難治ホジキンリンパ腫がPD-1阻害剤によく反応したことから、PDL1増幅がマーカー候補として浮上した。PDL1増幅は稀であったものの多様な癌腫で見られ、奏効マーカーとして有望な可能性があるが、より大きな前向研究によって確認される必要がある。