避妊薬の使用は子の白血病リスク?
Maternal use of hormonal contraception and risk of childhood leukaemia: a nationwide, population-based cohort study
背景
母親のホルモン避妊薬の使用が子供の白血病リスクを増すとする報告がある。デンマークDanish Cancer Society Research CenterのHargreaveらは、1996〜2014年に出生した同国小児(n=1,185,157)から白血病と診断された児を特定、母親のホルモン避妊薬処方についての情報とあわせ避妊薬使用と子の白血病との関連を評価した。
結論
計11,114,290人年、中央値9.3年のフォローアップ期間で606名が白血病と診断された(リンパ性白血病465名・非リンパ性白血病141名)。避妊薬を使用しなかった女性の子と比して、妊娠前3ヶ月にホルモン避妊薬を利用した女性の子供では白血病リスクが高かった(ハザード比1.46)。この関連はリンパ性白血病では有意でなかったが(最近使用のハザード比1.23、以前使用1.27)、非リンパ性白血病では有意であった(最近使用2.17、妊娠中使用3.87)。
評価
イベント数が少なく(5万件の避妊薬曝露につき1件の白血病増と)絶対リスクも小さいため、この研究をもって必要な避妊薬利用が控えられるべきではないが、さらなる検証に値する重要な関連である。


