血液生検により膵がんは早期発見可能に?
Serum Biomarker Signature-Based Liquid Biopsy for Diagnosis of Early-Stage Pancreatic Cancer
背景
膵がんは初期症状に乏しいため多くが進行後に診断され、予後は極めて不良である。デンマークUniversity of CopenhagenのMellbyらは、I期16名、II期132名、III期65名、IV期230名の膵管腺がんおよび888名の対照者の血液サンプルを用いたスカンジナビアでの症例対照研究から、早期膵管腺がんのバイオマーカー・シグネチャーを導出、アメリカのコホート(I期15名、II期75名、III期15名、IV期38名、対照219名)でこれを検証した。
結論
スカンジナビアのコホートから、29種のバイオマーカーを含むシグネチャーが開発された。このバイオマーカーシグネチャーは、ステージI・IIの膵管腺がん患者をAUC:0.96で弁別可能であった。アメリカでの検証でもAUCは0.96であった。
評価
切除可能性が残されているステージIIまでに膵がんを検出できれば、このがんの成績は大きく向上しうる。高リスクグループでの前向検証PanFAM-1がすでに開始されている(NCT03693378)。


