血中腫瘍DNAマーカーでDLBCLの初期治療結果を予測する
Circulating Tumor DNA Measurements As Early Outcome Predictors in Diffuse Large B-Cell Lymphoma
背景
リツキシマブ併用化学療法によりびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療成績は改善したが、治療に反応しない患者も一定数いる。Stanford UniversityのKurtzらは、6施設のDLBCL患者(n=217)から治療前・治療中に採取したctDNAの変化から、治療奏効に関連する閾値を導き、独立した検証セットで検証した。
結論
1サイクル治療後のctDNAレベル2-log低下(分子生物学的早期奏効[EMR])と、2サイクル後の2.5log低下(分子生物学的大奏効[MMR])は、完全奏効患者を層別化することができた。第1検証セットにおいて、初期治療でEMRまたはMMRを達成した患者は24ヶ月無イベント生存率が高かった(83% vs. 50%、82% vs. 46%)。EMRを達成した救援療法患者でも24ヶ月EFSが高く(100% vs. 13%)、この予後的価値は第2検証セットでも確認された。
評価
治療開始3週間のctDNA変化は独立したアウトカム予測因子であり、治療完了を待たずその結果を予測できることが示された。不良予測患者では代替オプションによる早期の介入が可能になる有望アプローチで、他のリンパ腫での検証も期待される。