治療下で生じる前立腺小細胞がんは従来考えられていたより多い
Clinical and Genomic Characterization of Treatment-Emergent Small-Cell Neuroendocrine Prostate Cancer: A Multi-institutional Prospective Study
背景
前立腺小細胞がんは、前立腺がん全体の1%ほどを占める希少な疾患と考えられてきた。University of California San FranciscoのAggarwalらは、進行した有転移去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に占める治療下発生前立腺小細胞がん(t-SCNC)の割合およびその特徴を調査する多施設前向研究を実施した(n=202)。
結論
t-SCNCは全体の17%で検出された。mCRPCに対するアンドロゲン受容体標的療法を受けた患者で、t-SCNCは短い生存期間と関連した(ハザード比2.02)。トランスクリプトーム解析は生存期間をさらに短縮させる(3.00)小細胞様クラスタを同定した。t-SCNCの転写制御因子としてPDX1などが同定された。
評価
内分泌療法中に神経内分泌分化を来す前立腺小細胞がんが、これまで考えられていたよりも一般的であることを明らかにした。t-SCNCで過剰に見られる転写因子のいくつかはすでに標的療法薬が登場しているもので、将来的にこれらの標的療法がこの致死的疾患に恩恵をもたらすかもしれない。