ALK陽性肺がんファーストラインでのクリゾチニブ、生存利益も示す:PROFILE 1014試験の最終解析
Final Overall Survival Analysis From a Study Comparing First-Line Crizotinib Versus Chemotherapy in ALK-Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
PROFILE 1014試験は、ALK変異陽性の非小細胞肺がん患者(n=343)の初回治療として、クリゾチニブまたは標準化学療法を比較する第III相ランダム化比較試験であり、先にクリゾチニブ割り付け患者での無増悪生存期間の延長、高い奏効率を報告している。オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのSolomonらは、最終全生存期間解析の結果を報告した。
結論
化学療法群の患者の84.2%が、その後クリゾチニブ治療を受けた。全生存期間(OS)のハザード比は0.760であった。OS中央値はクリゾチニブ群で未到達、化学療法群では47.5ヶ月であった。4年推定生存率はそれぞれ56.6%・49.1%であった。クロスオーバーについて調整後のハザード比は0.346であり、クリゾチニブ群で優れた。
評価
クロスオーバーが多く未調整生存率には差がなかったが、調整後の生存率で既存化学療法への優位性を示した。ALK陽性NSCLCに対してはすでに第二世代のアレクチニブ・セリチニブなどが登場しており(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1704795、http://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)30123-X)、この試験でもクリゾチニブ後に他ALK阻害剤による後続治療を受けた患者でもっとも生存期間が長かった。