限局性前立腺がんでのロボット支援手術、2年アウトカムも開腹と差なし
Robot-assisted laparoscopic prostatectomy versus open radical retropubic prostatectomy: 24-month outcomes from a randomised controlled study
背景
限局性前立腺がん患者でのロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術(RALP)と開腹術を比較した初の第III相ランダム化試験は、短期的なQOLアウトカムに差がないことを報告している。オーストラリアRoyal Brisbane & Women's HospitalのCoughlinらは、予定されていた2年のフォローアップ後のアウトカムについて報告を行った。
結論
RALP群と開腹群の術後6ヶ月時点での排尿機能スコアに差はなく(88.68 vs. 88.45)、12ヶ月(90.76 vs. 91.53)、24ヶ月(91.33 vs. 90.86)でも同等であった。EPICおよびIIEFの性機能スコアについても、6ヶ月(37.40 vs. 38.63; 29.75 vs. 29.78)、12ヶ月(42.28 vs 42.51; 33.10 vs. 33.50)、24ヶ月(45.70 vs. 46.90; 33.95 vs. 33.89)の各時点で有意差はなかった。生化学的再発率は、RALP群3%・開腹群9%と有意に異なったが、画像評価による進行率に差はなかった。
評価
既存のシステマティックレビューとは異なり、この試験では排尿・性機能アウトカムに差はなかった。両術式は同等のオプションとみなし得る。なおRALP群でPSA再発が少ないという結果はやや意外であり、さらなる調査に値する。