高齢のT1a腎がんでは経皮的アブレーションも選択肢に
Percutaneous Ablation Versus Partial and Radical Nephrectomy for T1a Renal Cancer: A Population-Based Analysis
背景
T1aステージの腎細胞がんでは腎部分切除術または腎摘除術が標準的治療となるが、経皮的アブレーションも新たなオプションとして登場している。Weill Cornell MedicineのTalenfeldらは、SEERがんレジストリの66歳以上のT1a腎細胞がん(RCC)患者において、経皮的アブレーションと腎部分切除術/腎摘除術を比較する傾向スコアを用いたコホート解析を行った(n=4,310)。
結論
経皮的アブレーションと部分腎切除術を比較した5年RCC特異的生存率は95%と98%であり、経皮的アブレーションと腎摘除術では96%・95%であった。また5年全生存率はそれぞれ77%・86%、74%・75%であった。1ヶ月〜1年の期間における累積腎不全率は、経皮的アブレーション群11%・部分腎切除術群9%・腎摘除術群18%であり、1ヶ月以内の非泌尿器合併症は各6%・29%・30%であった。経皮的アブレーション群の7%は1年以内に追加的アブレーションを受けた。
評価
集団ベースでの初めての比較解析であり、経皮的アブレーションは全生存率について部分切除群に劣ったが、術後合併症は少なかった。外科治療に問題のある高齢の患者では合理的な代替オプションとみなし得る。