HIV感染者でのウイルス抑制はがんリスク低下をもたらす
Association of viral suppression with lower AIDS-defining and non-AIDS-defining cancer incidence in HIV-infected veterans: A prospective cohort study
背景
ウイルス抑制はHIVでの治療目標であるが、HIV感染者のがんリスク低下をもたらすのか。Stanford UniversityのParkらは、アメリカ退役軍人局のHIV陽性患者(n=42,441)とマッチング対照者(n=104,712)において、ウイルス抑制状態とAIDS指標がん・非AIDS指標がんリスクとの関連を調査した。
結論
対照と比較したHIV陽性患者での発がん率は、ウイルス抑制されていない患者で最も高く(率比2.35)、ウイルス抑制された患者で低かった(1.99)。長期間ウイルス抑制状態にあった患者では特に低リスクであった(1.52)。この傾向はAIDS指標がんで顕著で(各22.73・9.48・2.22)、ウイルスを原因とする非AIDS指標がんでは相対的に低く(3.82・3.42・3.17)、ウイルスを原因としない非AIDS指標がんでは関連は見られなかった。
評価
早期から抗レトロウイルス療法を受け長期的なウイルス抑制がもたらされた患者では、カポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫を中心にリスクが大きく低下した。一方で、この最も成功した患者群でもがんリスクは非感染対照者より高かった。