リバーロキサバンはがん患者VTEの再発を予防するが、出血リスクも:SELECT-D試験
Comparison of an Oral Factor Xa Inhibitor With Low Molecular Weight Heparin in Patients With Cancer With Venous Thromboembolism: Results of a Randomized Trial (SELECT-D)
背景
静脈血栓塞栓症(VTE)はがん患者で一般的で低分子量ヘパリンによる治療が標準であるが、DOACが新たなオプションとして登場している。イギリスUniversity of WarwickのYoungらは、症候性肺塞栓症・無症候性肺塞栓症・症候性下肢深部静脈血栓症の担癌患者に、ダルテパリンまたはリバーロキサバンを割り付ける多施設ランダム化パイロット試験SELECT-Dを実施した(n=203)。
結論
6ヶ月以内のVTE再発は、ダルテパリン群11%・リバーロキサバン群4%であった(ハザード比0.43)。6ヶ月累積大出血率はそれぞれ4%・6%(1.83、非有意)、大出血および臨床的に重要な小出血は4%・13%であった(3.76)。
評価
エドキサバンの非劣性を示したHokusai VTE Cancer試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1711948)に続き、リバーロキサバンによりVTE再発率が低下することを実証した。一方、重大ではないが臨床的問題となる出血はリバーロキサバン群で多く、安全性プロファイルについて慎重な検証が必要となる。

