小児へのCTは脳腫瘍を増加させる
Radiation Exposure From Pediatric CT Scans and Subsequent Cancer Risk in the Netherlands
背景
コンピュータ断層撮影(CT)は強力な診断ツールであるが、放射線被曝量が大きいという問題がある。オランダNetherlands Cancer InstituteのMeulepasらは、同国の病院でCTスキャンを受けた18歳未満小児の全国後向コホート(n=168,394)で、その後の白血病・脳腫瘍の発症リスクを評価した。
結論
標準化罹患比はすべてのがん部位について増加した。追跡期間終了までの累積骨髄線量は平均9.5mGyで、累積骨髄線量は白血病リスクと関連しなかった。累積脳線量は平均38.5mGyで、悪性脳腫瘍・非悪性脳腫瘍のリスク増加と関連した(100mGyあたりの過剰相対リスク0.86)。
評価
このオランダの大規模コホートでは、CTによる白血病のリスク増は見られなかったものの、脳腫瘍については線量依存的なリスク増加が示された。絶対リスクは小さいものの、小児でのCT利用においては慎重な正当化の判断と線量最適化が不可欠である。