DNA損傷反応遺伝子の異常は膀胱がん免疫療法の有効性マーカー
Alterations in DNA Damage Response and Repair Genes as Potential Marker of Clinical Benefit From PD-1/PD-L1 Blockade in Advanced Urothelial Cancers
背景
PD-1・PD-L1阻害剤の登場は進行膀胱がんの治療を大きく前進させたが、これらの治療からもっとも大きな利益を得る患者を知らせるマーカーの探索も急務である。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのTeoらは、アテゾリズマブまたはニボルマブによる治療を受けた有転移尿路上皮癌患者(n=60)において、DNA損傷応答・修復(DDR)遺伝子の異常と臨床アウトカムとの関連を調査した。
結論
DDR変異は患者の47%で、有害またはその可能性のあるDDR変異は25%で見られた。DDR変化患者の奏効率は67.9%と、非DDR変化患者の18.8%より高かった。有害またはその可能性のあるDDR変化を有する患者では、特に奏効率が高かった(80%)。DDR改変は多変量解析においても有意性を維持し、無増悪生存期間・全生存期間の延長とも関連した。
評価
DDR変化は、進行膀胱がんでのプラチナ化学療法の有効性予測マーカーとされている。本研究から、免疫チェックポイント阻害剤のマーカーとしても有望であることが示され、より大きなデータセットでの検証が行われるだろう。