去勢抵抗性前立腺がんへのエンザルタミドで転移リスク大幅減:PROSPER試験
Enzalutamide in Men with Nonmetastatic, Castration-Resistant Prostate Cancer
背景
転移のない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)男性でのPSA値の急速な上昇は転移・死亡リスクの上昇と関連するが、確立された治療法は存在しなかった。Northwestern UniversityのHussainらは、アンドロゲン遮断療法にもかかわらずPSA上昇が見られるnmCRPC男性を、エンザルタミドまたはプラセボにランダム割り付けする第III相二重盲検試験PROSPERを実施した(n=1401)。
結論
無転移生存期間はエンザルタミド群36.6ヶ月・プラセボ群14.7ヶ月であった(ハザード比0.29)。次ライン治療までの期間は各39.6ヶ月・17.7ヶ月(0.21)、PSA進行までの期間も37.2ヶ月・3.9ヶ月(0.07)と、エンザルタミド群で延長した。最初の中間解析時点での死亡率は、エンザルタミド群11%・プラセボ群13%であった。
評価
nmCRPCでは先に、SPARTAN試験のapalutamideも転移リスク7割減を示し(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1715546)、初の承認治療薬となっている。エンザルタミドも本試験の結果によりFDA優先審査に付された。


