ワルデンストレームマクログロブリン血症にイブルチニブ・リツキシマブ:iNNOVATE試験
Phase 3 Trial of Ibrutinib plus Rituximab in Waldenstrom’s Macroglobulinemia

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2018
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開始ページ
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背景

ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)はB細胞リンパ腫の比較的まれな形態であり、BTK阻害剤イブルチニブはWMに対する単剤活性を示している。ギリシアNational and Kapodistrian University of AthensのDimopoulosらは、再発WM患者でのリツキシマブ療法に、イブルチニブまたはプラセボを追加する第III相ランダム化試験iNNOVATEを実施した(n=150)。

結論

30ヶ月無増悪生存率は、イブルチニブ/リツキシマブ群で82%、プラセボ/リツキシマブ群で28%であった(ハザード比0.20)。イブルチニブ併用の効果は、MYD88およびCXCR4のステータスと独立であった。大奏効率はそれぞれ72%・32%であり、ヘモグロビン値の持続的上昇は73%・41%でみられた。

評価

二剤の相乗効果により増悪リスクは80%低下し、新たな標準治療とみなされることになろう。併用群では心房細動・高血圧・感染症が多く適切な管理を要する。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)