分子標的薬時代の進行腎細胞がん、腎摘除は不要か:CARMENA試験
Sunitinib Alone or after Nephrectomy in Metastatic Renal-Cell Carcinoma
背景
転移を有する腎細胞がん患者では腫瘍減量を目的とした腎摘除が推奨されているが、その価値は標的療法の登場により再検討を必要としている。フランスAssistance Publique-Hopitaux de ParisのMejeanらは、転移を有する淡明細胞型腎細胞がん患者を、腎摘除後のスニチニブ療法またはスニチニブ療法単独に割り付ける第III相ランダム化試験CARMENAを実施した(n=450)。
結論
中間解析時点の追跡期間は中央値50.9ヶ月であった。全生存期間中央値は、スニチニブ単独群18.4ヶ月・腎摘除群13.9ヶ月であった。層別ハザード比は0.89で、スニチニブ療法単独の非劣性が示された。奏効率・無増悪生存期間に有意差は見られなかった。
評価
サイトカイン療法時代からの標準治療であり、標的療法の導入以降も後向研究では腎摘除の有効性が示唆されてきたが、RCTはこれを退けた。


