再発グリオーマに腫瘍溶解性アデノウイルスで長期生存も
Phase I Study of DNX-2401 (Delta-24-RGD) Oncolytic Adenovirus: Replication and Immunotherapeutic Effects in Recurrent Malignant Glioma
背景
がんに対する腫瘍溶解性ウイルスの研究は、ウイルス投与後に免疫応答が増強されることが示され新たな段階へ入った。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのLangらは、再発悪性神経膠腫患者を対象に、腫瘍溶解性アデノウイルスDNX-2401を投与し、安全性・奏効・作用機序を検討する第I相用量漸増試験を実施した。
結論
用量漸増群の25名中5名が3年超生存し、3名では95%以上の腫瘍退縮がみられ、いずれも3年間無増悪であった。治療後に手術標本を採集した患者(n=12)では、DNX-2401の腫瘍内での拡がりと、ウイルスによる直接的な腫瘍溶解が確認された。免疫マーカーは、CD8+・T-bet+T細胞の腫瘍浸潤を示した。
評価
最近、腫瘍溶解性ウイルスが免疫チェックポイント阻害の効果を向上させる可能性が指摘されており(http://doi.org/10.1016/j.cell.2017.08.027)、DNX-2401でもペムブロリズマブと組み合わせる臨床試験が行われている。