大腸ポリープ摘除後の大腸がんリスク:PLCO試験のフォローアップ結果
Association of Colonoscopy Adenoma Findings With Long-term Colorectal Cancer Incidence
背景
内視鏡による大腸がん検診で腺腫性ポリープが発見された場合、摘除後のサーベイランスが推奨されているが、nonadvanced腺腫の至適なサーベイランス間隔は明確でない。University of PittsburghのClickらは、PLCO試験で軟性S状結腸鏡検診を受け、初回の異常所見によりフォローアップ全大腸内視鏡検査を受けた参加者のコホートで、腺腫と長期的な大腸がんリスクの関連を調査した。
結論
初回の大腸内視鏡検査で、18.1%は進行腺腫advanced adenomaを、31.8%は非進行腺腫を有した。中央値12.9年の追跡期間で、進行腺腫を有した参加者では10,000人年あたり20.0件の大腸がん発症があった(非進行腺腫9.1件・腺腫なし7.5件)。腺腫なしの場合と比して、進行腺腫の存在は有意な大腸がん発症リスクであったが(リスク比2.7)、非進行腺腫は有意なリスクではなかった(1.2)。進行腺腫はまた大腸がん死亡のリスク増とも関連した(2.6、非進行腺腫は1.2)。
評価
進行腺腫は大腸がんリスクであった一方で、非進行腺腫では有意なリスク増は見られなかった。この問題にRCTエビデンスをもたらすべく、少数個の非進行腺腫患者でのサーベイランス期間を検証するEPoS試験が実施されている(NCT02319928)。