大腸がん診断後のコーヒー摂取は死亡率を低下させる
Association Between Coffee Intake After Diagnosis of Colorectal Cancer and Reduced Mortality
背景
コーヒーの摂取は癌リスク低下との関連が示唆されている。Harvard T.H. Chan School of Public HealthのHuらは、Nurses’ Health StudyとHealth Professionals Follow-up StudyでステージI-III大腸がんの診断を受けた患者(n=1,599)で、半定量的な食物摂取頻度アンケートにより評価されたコーヒー摂取頻度と死亡率との関連を調査した。
結論
中央値7.8年の追跡期間中に、803名が死亡し、うち188名が大腸がんによる死亡であった。コーヒーを摂取しない患者と比較して、一日4杯以上のコーヒーを摂取した患者では大腸がん特異的死亡が52%減、全原因死亡も30%減少した。カフェイン入りないしデカフェコーヒーの高摂取(一日2杯以上)も大腸がん特異的・全原因死亡率の低下と関連した。また診断後の高摂取の継続も、大腸がん特異的死亡率の低下(ハザード比0.63)、全原因死亡率の低下(0.71)と関連した。
評価
がん診断後のベネフィットについての研究は少なかったが、大規模な医療従事者コホートで行われた本研究では、コーヒー消費と大腸がん死亡との用量依存的な逆相関が確認された。