大腸がんの再発リスクを予測するImmunoscoreを国際開発
International validation of the consensus Immunoscore for the classification of colon cancer: a prognostic and accuracy study
背景
がん患者における腫瘍内浸潤T細胞数は、従来の臨床的因子よりも優れた予後予測因子となることが明らかになりつつある。フランスGeorges Pompidou European HospitalのPagesらは、ステージI-IIIの結腸がん患者をランダムに学習セット(n=700)・内部検証セット(n=636)・外部検証セット(n=1,345)に割り付け、腫瘍および浸潤部におけるCD3陽性T細胞・CD8陽性細胞障害性T細胞の密度に基づくImmunoscoreを開発した。
結論
学習セットにおいて、Immunoscoreが高い患者では5年再発率が8%、中程度の患者で19%、低い患者で32%であった(高vs低のハザード比0.20)。この結果は、内部検証セット・外部検証セットでも確認された。Immunoscoreと再発までの時間との関連は、既知の予後因子と独立であり、Immunoscoreのリスクへの相対的寄与率はすべての臨床因子について最も高かった。
評価
腫瘍への免疫細胞浸潤に基づくスコアが高い予後予測精度を持つことを実証した。TNM分類の重要な補完となる。