USPSTF勧告、前立腺がんPSA検診の非推奨を修正
Prostate-Specific Antigen-Based Screening for Prostate Cancer: Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
May 2018
319
開始ページ
1914

背景

米国予防医学専門作業部会(USPSTF)は2012年の勧告で、PSA検査による前立腺がん検診を「推奨しない(推奨度D)」とし、激しい議論を巻き起こした。University of CaliforniaのFentonらは、USPSTF勧告の改訂に合わせてPSA検診、限局性前立腺がんの治療、生検前のリスク推定に関するエビデンスを系統的にレビューした。

結論

63研究からの104報が対象となった(n=1,904,950)。PLCO試験・CAP試験では、PSA検診は前立腺がんリスクの低下と関連しなかったが、ERSPC試験では関連した(相対リスク0.79)。ERSPC試験での偽陽性率は17.8%であった。3つのコホート研究では生検での入院を要する合併症は0.5%〜1.6%であった。検診で発見されたがんのうち20.7%〜50.4%が過剰診断と推定された。検診発見がんでは、根治的前立腺摘除術・放射線療法とも(積極的監視と比べて)死亡率を低下させなかったが、転移リスクの低下と関連した。また治療は尿失禁・勃起不全のリスク増と関連した。

評価

改訂された勧告は、55〜69歳の男性でのPSA検診を(利益と害について理解した上で)個人の選択に委ねるものとなった(http://doi.org/10.1001/jama.2018.3710)。一方、70歳以上の男性では非推奨が維持されている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)