がん患者が診断後1年間で経験する症状:10万人超の患者報告アウトカムから
Symptom Burden in the First Year After Cancer Diagnosis: An Analysis of Patient-Reported Outcomes

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
April 2018
36
開始ページ
1103

背景

がん患者は多くの症状を経験し、その多くは診断早期から発現する。カナダUniversity of TorontoのBubisらは、1年以上生存した新規診断がん患者から前向収集されたEdmonton Symptom Assessment Systemスコアにもとづき、中等度・重度の症状と関連する因子を調査する観察研究を実施した(n=120,745)。

結論

診断後12ヶ月間で、計729,861回の症状評価が行われた。多くの症状スコアは最初の1ヶ月で最大化したが、悪心は6ヶ月目まで上昇した。がん発生部位・若年・併存症・女性・定収入・都市部居住は、症状負荷の上昇と関連する因子であった。

評価

この問題に関する過去最大級の研究である。がんに伴う症状は、発生部位を問わず多くの患者が経験し、その負荷は診断早期に最大化した。ここで特定された高リスク集団では特に、早期からの支持療法の統合が必要とされている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)