妊娠中のがん治療は増加傾向:早産・NICU入室リスクも
Oncological management and obstetric and neonatal outcomes for women diagnosed with cancer during pregnancy: a 20-year international cohort study of 1170 patients
背景
近年では、妊娠中であってもがん治療が可能であると考えられるようになっている。ベルギーKU Leuvenのde Haanらは、妊娠中のがん患者の妊娠・出産・新生児アウトカムを記録するInternational Network on Cancer, Infertility and Pregnancyレジストリから、過去20年間における腫瘍学的管理と出産・新生児アウトカムを調査した(n=1,170)。
結論
乳がんが39%で最も多く、67%が妊娠中に治療を受けた。妊娠中のがん治療は経時的に増加し、多くは化学療法によるものであった。単胎児の88%が生児出生し、うち48%が早産であった。生児出生も経時的に増加し、医原的早産は減少した。プラチナ化学療法では在胎不当過小が多く、タキサン系化学療法は出生児のNICU入室と関連した。腹部手術や子宮頸部手術は、NICUリスクの低下と関連した。
評価
妊娠期がんに関する研究をリードするグループで、妊娠中治療が胎児の出生後認知・心機能に影響を与えないことも明らかにしている(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1508913)。妊娠中治療は増加傾向にあったが、早産・NICUリスクは高く、高度治療可能な病院での管理が必要である。