切除可能肺がんでの術前ニボルマブ
Neoadjuvant PD-1 Blockade in Resectable Lung Cancer
背景
免疫チェックポイント阻害剤の登場は、進行した非小細胞肺がん(NSCLC)の予後を大きく改善したが、切除可能な肺がんでの有効性は検証されてこなかった。Johns Hopkins University School of MedicineのFordeらは、外科的に切除可能なNSCLC患者での術前補助療法としてニボルマブを投与するパイロット研究を実施した(n=21)。
結論
術前補助ニボルマブの副作用プロファイルは許容可能で、手術の遅れをもたらさなかった。完全に切除された20の腫瘍のうち、45%で大きな病理学的奏効(生存腫瘍細胞が10%未満)が認められた。病理学的奏効は、治療前の腫瘍変異負荷と相関した。末梢血中の変異関連ネオアンチゲン特異的T細胞クローンは、治療の2〜4週後から急速に増殖した。
評価
術前補助ニボルマブは安全であり、患者の半数では大きな病理学的奏効が達成された。乳がんやNSCLCなどで多くの試験が進行しており、生存期間に与える影響も今後明らかにされていくだろう。