MRI乳がん検診では生検率が増加する
Breast Biopsy Intensity and Findings Following Breast Cancer Screening in Women With and Without a Personal History of Breast Cancer
背景
乳房MRIはマンモグラフィ・超音波検査よりも感度に優れ、高リスク者での乳がん検診に利用されることもある。Kaiser Permanente Washington Health Research InstituteのBuistらは、6つのBreast Cancer Surveillance Consortiumレジストリで検診を受けた女性(n=812,164)で、マンモグラフィ単独またはMRIを用いた検診と生検率・がん診断率との関連を調査した。
結論
乳がん既往歴を有する女性では、生検率は、マンモグラフィ(1000件あたり23.6)と比してMRIで2倍以上にのぼった(57.1)。乳がん既往歴を有さない女性では、差はさらに大きかった(14.9 vs. 84.7)。生検におけるDCISおよび浸潤がんの診断率は、乳がん既往歴女性では、マンモグラフィ後生検で高く(1000件あたり404.6 vs. 267.6)、非有意ながら乳がん既往歴を有さない女性でも同様の傾向であった(279.3 vs. 214.6)。
評価
MRI検診は要精検率を増加させ、結果として生検でのがん発見率も低下した。欧米では高リスク者における検診戦略として推奨されているが、乳がん既往歴は単独ではMRI検診を勧める理由とはならない。