腫瘍の変異負荷Tumor Mutation Burdenは免疫療法の奏効持続と関連する
Molecular Determinants of Response to Anti-Programmed Cell Death (PD)-1 and Anti-Programmed Death-Ligand 1 (PD-L1) Blockade in Patients With Non-Small-Cell Lung Cancer Profiled With Targeted Next-Generation Sequencing
背景
免疫チェックポイント阻害剤は進行がん患者の一部で持続的な奏効を示すが、この有効集団はどのように絞り込めるか。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRizviらは、抗PD-1・抗PD-L1療法を受けた進行非小細胞肺がん患者において、臨床的アノテーション・奏効データを収集、ターゲット次世代シーケンシング(NGS)によるプロファイルとの関連を検証した(n=240)。
結論
腫瘍の変異負荷(Tumor Mutation Burden)は、ターゲットNGSと全エクソームシーケンシングでよく相関した。TMBの高い患者では持続的な臨床ベネフィットが多くみられ(38.6% vs. 25.1%)、無増悪生存期間も長かった。TMBは、PD-L1発現とは独立した変数で、ともに免疫チェックポイント阻害剤のベネフィットを予測した。
評価
TMBが免疫療法の有効性予測因子であること、比較的安価なターゲットNGSによりTMBが決定可能なことを示した。PD-L1発現との組み合わせることでさらに強力なツールとなることが期待される。

