寛解時の分子微小残存病変(MRD)で急性骨髄性白血病再発を予測
Molecular Minimal Residual Disease in Acute Myeloid Leukemia
背景
寛解期の微小残存病変(MRD)は、急性リンパ性白血病などで予後予測価値が認められている。オランダErasmus University Medical CenterのJongen-Lavrencicらは、新規診断の急性骨髄性白血病(AML)成人患者で、診断時と完全寛解中に標的化次世代シーケンシングを行い、4年再発率・生存率などとの関連を検討した(n=482)。
結論
患者の89.2%で1つ以上の変異がみられ、このうち51.4%の患者で完全寛解中にも変異が持続した。加齢性クローン性造血で多くみられるDTA変異は、再発率と関連しなかった。DTA変異を除く分子MRDの検出は、高い4年再発率(55.4% vs. 31.9%、ハザード比2.14)、低い無再発生存率(36.6% vs. 58.1%、ハザード比1.92)、低い全生存率(41.9% vs. 66.1%、ハザード比2.06)と関連した。フローサイトメトリーと併用した場合と比較しても、シーケンシングによるMRD検出は付加的な予後的価値を有した。
評価
ALLなどと同様に寛解後のMRDは再発予測因子であり、シーケンシングとフローサイトメトリーを併用した分子MRDでより高い予後予測能を発揮できるとみられる。他方、クローン性造血関連変異は予後と関連しなかった。


