マントル細胞リンパ腫でのBTK・BCL2同時標的化は有望
Ibrutinib plus Venetoclax for the Treatment of Mantle-Cell Lymphoma
背景
BTK阻害剤イブルチニブとBCL2阻害剤venetoclaxはともにマントル細胞リンパ腫(MCL)での有効性が確認されている。オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのTamらは、再発・難治または未治療MCL患者(n=24)で、イブルチニブ・venetoclax併用による治療を行い、歴史的対照(PCYC-1104-CA試験でのイブルチニブ)と比較する第II相試験を実施した。
結論
患者の年齢は47〜81歳で、前治療歴は0〜6回、半数がTP53異常を有し、75%が高リスク患者であった。16週時点でのCT評価完全奏効率は42%であり、歴史的対照のイブルチニブ単独療法(9%)を上回った。PET評価完全奏効率は62%、全奏効率は71%であった。15ヶ月奏効持続率は78%と推定された。
評価
高リスク患者を含むグループで単剤を大きく上回る有効性を示し、第III相SYMPATICO試験につなげた。同じ組み合わせでは、慢性リンパ性白血病でも第III相FLAIR試験が進行している。