前立腺がん診断でのMRI狙撃生検はTRUS生検よりもよい:PRECISION試験
MRI-Targeted or Standard Biopsy for Prostate-Cancer Diagnosis

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2018
Online first
開始ページ
Online first

背景

前立腺がん(PC)が疑われる男性では通常、経直腸超音波ガイドによる生検を行い系統的に組織を採取するが、近年、MRIの陽性領域から組織採取をを行う狙撃(標的化)生検targeted biopsyが登場している。イギリスUniversity College LondonのKasivisvanathanら(PRECISION)は、MRI検査を受けたPC疑い男性を、MRIでPCが示唆された場合のみ狙撃生検を行う群と通常の10-12コアの超音波ガイド生検を行う群にランダム割り付けする多施設・非劣性RCTを実施した(n=500)。

結論

MRI狙撃生検群のうち28%は、MRIによりPCが示唆されなかったため生検を受けなかった。臨床的意味のあるがんは狙撃生検群の38%、通常生検群の26%で検出された。

評価

生検前MRIの情報をもとにした狙撃生検により、1/4の不要な生検が省略され、採取コア数を減らし、臨床的に意義のないPCの検出率も低下した。狙撃生検の標準化、実践の変更につながる重要な結果である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)