前立腺がん診断でのMRI狙撃生検はTRUS生検よりもよい:PRECISION試験
MRI-Targeted or Standard Biopsy for Prostate-Cancer Diagnosis
背景
前立腺がん(PC)が疑われる男性では通常、経直腸超音波ガイドによる生検を行い系統的に組織を採取するが、近年、MRIの陽性領域から組織採取をを行う狙撃(標的化)生検targeted biopsyが登場している。イギリスUniversity College LondonのKasivisvanathanら(PRECISION)は、MRI検査を受けたPC疑い男性を、MRIでPCが示唆された場合のみ狙撃生検を行う群と通常の10-12コアの超音波ガイド生検を行う群にランダム割り付けする多施設・非劣性RCTを実施した(n=500)。
結論
MRI狙撃生検群のうち28%は、MRIによりPCが示唆されなかったため生検を受けなかった。臨床的意味のあるがんは狙撃生検群の38%、通常生検群の26%で検出された。
評価
生検前MRIの情報をもとにした狙撃生検により、1/4の不要な生検が省略され、採取コア数を減らし、臨床的に意義のないPCの検出率も低下した。狙撃生検の標準化、実践の変更につながる重要な結果である。


