慢性リンパ性白血病でのvenetoclax・リツキシマブ併用、PFSを大きく改善
Venetoclax-Rituximab in Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2018
378
開始ページ
1107

背景

BCL-2阻害薬venetoclax(GDC-0199・ABT-199)は、慢性リンパ性白血病(CLL)での第I相・第II相試験において有望な結果を示してきた。オーストラリアRoyal Melbourne HospitalのSeymourらは、再発・難治CLL患者での6ヶ月間のリツキシマブに加えて、最大2年のvenetoclaxまたはベンダムスチンを割り付ける第III相試験MURANOを実施した(n=389)。

結論

追跡期間中央値23.8ヶ月で、2年無増悪生存率はvenetoclax群84.9%・ベンダムスチン群36.3%であった(ハザード比0.17)。17p欠失患者ではそれぞれ81.5%・27.8%で(0.13)、17p非欠失患者では85.9%・41.0%と(0.19)、ベネフィットはすべてのサブグループを通じて維持された。グレード3・4の好中球減少症はvenetoclax群で多かったが、グレード3・4の発熱性好中球減少症・感染症はベンダムスチン群で多かった。

評価

Venetoclax併用群ではMRD陰性率も大幅に高く、持続的な腫瘍コントロールが期待できる。再発・難治CLLでの新たな標準オプションとなり得るほか、急性骨髄性白血病や多発性骨髄腫でも検証が進んでいる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)