早期胃がんでのH. ピロリ除菌による異時性胃がん抑制:韓国からも肯定結果
Helicobacter pylori Therapy for the Prevention of Metachronous Gastric Cancer
背景
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)除菌は胃がんを予防すると考えられているが、早期胃がん患者での内視鏡的切除後にH. ピロリ除菌が異時性胃がんの発症を抑制しうるかは不明である。韓国National Cancer CenterのChoiらは、早期胃がんまたはhigh-grade腺腫患者を、抗菌薬またはプラセボによるH. ピロリ除菌療法に割り付ける二重盲検RCTを実施した(n=470)。
結論
追跡期間中央値5.9年で、異時性胃がんの発症は介入群7.2%・対照群13.4%であった(ハザード比0.50)。組織学的解析を受けた患者のうち介入群の48.4%、対照群の15.0%で、ベースラインからの萎縮の改善がみられた。
評価
先行RCTは日韓で結果が分かれていたが(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(08)61159-9、https://doi.org/10.1016/j.cgh.2013.09.057)、二重盲検RCTでの肯定結果でエビデンスの天秤は大きく傾く。