iPadアプリで大腸がん検診の受診を促す
Effect of a Digital Health Intervention on Receipt of Colorectal Cancer Screening in Vulnerable Patients: A Randomized Controlled Trial
背景
大腸がん検診は死亡率を低下させる効果が明確な数少ない検診であるが、多くの地域では検診受診率に改善の余地がある。Wake Forest School of MedicineのMillerらは、プライマリケア診療所を受診し大腸がん定期検診の予定がある患者を、iPadアプリによる意志決定支援(mPATH-CRC)または通常のケアに割り付け、検診完了率を比較するランダム化比較試験を実施した(n=450)。
結論
参加者の37%は医療リテラシーに制限があり、53%は年収2万ドル未満であった。24週以内の大腸がん検診完了率は、mPATH-CRC群30%・対照群15%であった(オッズ比2.5)。検診の希望、6ヶ月以内の検診の予定、検診に関する医療者との話し合い、検診オーダーもmPATH-CRC群の参加者でより頻繁であった。mPATH-CRC群の53%はアプリの機能を用いて検診オーダーを行った。
評価
大腸がん検診に関する情報を含む意志決定支援、検査のオーダー機能、フォローアップの通知機能を有するiPadアプリにより、社会的弱者を多く含む集団で受診率を倍増させた。腺腫の発見も介入群で多く、検診の有効性を大きく向上させうる介入である。