免疫チェックポイント阻害による内分泌異常:併用療法でリスク増
Incidence of Endocrine Dysfunction Following the Use of Different Immune Checkpoint Inhibitor Regimens: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の使用下ではさまざまな免疫関連有害事象(irAE)がみられ、内分泌異常も一般的なirAEのひとつである。Dana-Farber Cancer InstituteのBarroso-Sousaらは、イピリムマブ・ニボルマブ・ペムブロリズマブなどで行われた臨床試験を対象とする系統的レビュー・メタ解析を行い、FDA承認レジメン後の内分泌有害事象のリスクを検証した。
結論
7,551名の患者を含む、38件のRCTが含まれた。甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症の全発症率はそれぞれ6.6%・2.9%であった。甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症の発症率は併用療法を受けた患者で最も高かった(イピリムマブと比してそれぞれオッズ比3.81・4.27)。イピリムマブと比して、PD-1阻害薬を受けた患者では甲状腺機能低下症リスクが高かった(1.89)。甲状腺機能亢進症リスクは、PD-L1阻害剤よりPD-1阻害剤で高かった(5.36)。下垂体炎リスクはPD-1阻害療法で低く(イピリムマブと比して0.29)、併用療法で高かった(2.2)。
評価
主要なICIレジメンごとの内分泌副作用リスクに正確なデータをもたらすメタ解析である。内分泌障害のスクリーニング・管理は、ICI療法利用患者のケアにおける重要な要素である。