限局性前立腺がんの転移リスク評価を精密化する新たなモデル
Development and Validation of a Novel Integrated Clinical-Genomic Risk Group Classification for Localized Prostate Cancer
背景
限局性前立腺がんのリスク分類はPSAレベルや病期、NCCN分類などによって行われてきたが、十分精密化されていない。University of MichiganのSprattらは、限局性前立腺がんの多施設コホートを用いて、新たな臨床‐ゲノムリスク分類システムを学習開発し(n=991)、検証した(n=5,937)。
結論
学習コホートにおいて、NCCN分類での低・低中間・高中間・高リスク群の10年遠隔転移率は7.3%・9.2%・38.0%・39.5%であり、臨床ゲノムリスク分類での低・中間・高リスク群の10年遠隔転移率は、それぞれ3.5%・29.4%・54.6%であった。これは検証コホートでも確認された(0%・25.9%・55.2%)。C統計量は、臨床ゲノムリスク分類で0.84、NCCN分類で0.73、CAPRAスコアで0.74であった。
評価
NCCN分類はPSA再発リスクをよく層別化できることが知られるが、新たなリスクモデルは臨床的により重要な遠隔転移リスクについて優れた分別能を示した。新たな分類により、アクティブサーベイランス管理の可能な低リスクグループの割合が拡大されたことも大きな意味を持つ。