オリゴメタ前立腺がんで転移指向治療は有効か
Surveillance or Metastasis-Directed Therapy for Oligometastatic Prostate Cancer Recurrence: A Prospective, Randomized, Multicenter Phase II Trial
背景
前立腺がんにおける初回治療後の少数個の遠隔転移(oligorecurrence)はどのように管理されるのがよいか。ベルギーGhent UniversityのOstらは、初回の根治的治療後に生化学的再発をみた3個以下の転移病変を有する前立腺がん患者に、3ヶ月ごとのPSA検査(サーベイランス)または転移指向性治療(MDT、各転移病変の切除または定位放射線)を割り付ける第II相ランダム化試験を実施した(n=62)。
結論
アンドロゲン遮断療法(ADT)を要しない生存期間は、サーベイランス群で13ヶ月、MDT群では21ヶ月であった(ハザード比0.60)。QOLはベースライン時点で両群同等、3ヶ月・1年のフォローアップでも同等であった。MDT群の6名がグレード1の毒性がみられた。
評価
ホルモン療法を受けない患者でMDTの有効性を検証した初のRCTであり、外科的または放射線治療によりホルモン療法開始を遅らせることが可能であることを示した。MTDによりADTを短縮するアプローチも検証されている。