白血球BRCA1プロモーターのメチル化は高悪性度卵巣がんリスク
White Blood Cell BRCA1 Promoter Methylation Status and Ovarian Cancer Risk
背景
BRCA1およびBRCA2における遺伝子突然変異は、乳がん・卵巣がんの発症リスクである。ノルウェーHaukeland University HospitalのLonningらは、卵巣がん患者と対照となる一般集団で二次にわたる症例対照研究を実施、白血球BRCA1プロモーターのメチル化と卵巣がんとの関連を調査した(一次研究:n=2,632、検証研究:n=2,591)。
結論
一次研究では、BRCA1プロモーターメチル化は卵巣がん患者で多く見られた(6.4% vs. 4.2%、年齢調整オッズ比1.83)。BRCA1メチル化の上昇は、高悪性度漿液性腺がん(HGSOC)に限定されていた(9.6%、2.91)。この知見は検証研究でも再現された。また若年女性と新生児での個別分析では、それぞれ4.1%・7.0%でBRCA1メチル化があった。
評価
BRCA1プロモーターのメチル化が卵巣がんリスクと関連することが報告されているが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24889916)、この報告は、HGSOCの場合だけは一般細胞でもそれが見られることを示した。若年・新生児でもみられており、リスク予測に繋がりえる。